高スループット構成と高インタラクティビティ構成には専用のシステムが必要です。いずれかの構成でデプロイされたモデルは、他のモデルとバンドルすることはできません。モデル、プロファイル、バンドルに馴染みがない場合は、モデルとバンドルのデプロイをご参照ください。
デプロイ構成
どちらの構成でも、API 呼び出しで使用するモデル名は同じです。同じリクエストがどちらの構成でも動作します。構成が制御するのはサーバー側でのリクエスト処理であり、クライアント側の変更は不要です。
各構成の使いどころ
高スループット
以下の場合は高スループット構成を使用してください。- 多数の同時ユーザーにサービスを提供しており、ユーザーごとのレイテンシよりも総スループットが重要な場合
- ワークロードが非同期またはバッチ指向の場合 (例: ドキュメント処理やオフライン推論パイプライン)
- リクエストごとのエンドツーエンドのレイテンシが制約にならない場合
高インタラクティビティ
以下の場合は高インタラクティビティ構成を使用してください。- リアルタイムのユーザー向けアプリケーションを構築している場合
- ユーザーごとの最初のトークンまでの時間 (TTFT) と 1 秒あたりのトークン数が主要な指標である場合
- デプロイのノード数が少ない場合や、ユーザーに対する厳しいレイテンシ要件がある場合
対応モデル
以下のモデルで両方の構成が利用できます。- DeepSeek-R1
- DeepSeek-V3-0324
- DeepSeek-V3.1
- DeepSeek-V3.1-Terminus
- DeepSeek-V3.2
アーキテクチャ
高スループット構成は連続バッチング (continuous batching) を使用し、プレフィル (prefill) フェーズとデコード (decode) フェーズを専用のパイプラインに分離します。2 つのモードが利用できます。- 集約モード (ACB): プレフィルとデコードが同じノード上で同居して実行されます。
- 分離モード (DCB): プレフィルとデコードがそれぞれ専用の別ノードで実行されるため、各フェーズのサイズを独立して調整できます。推奨されるノード配分は、デコードノードよりプレフィルノードを多くすることです (例: プレフィルノード 3 台、デコードノード 1 台)。
- プレフィルノードは入力プロンプトを処理します
- デコードノードは出力トークンを生成します
要件と制限事項
PEF 構成
各構成はModelProfile として提供されます。個々の PEF ではなくプロファイルを選択し、使用される PEF・シーケンス長・バッチサイズはプロファイルによって決まります。以下の PEF の表は、各構成がどの組み合わせを提供するかを示したものです。デプロイ手順の全体はバンドルのデプロイをご参照ください。
カスタムリソース (CR): Kubernetes の拡張オブジェクトです。
Model、ModelProfile、Pef リソースは、クラスター内で利用可能なモデル、ランタイム構成、コンパイル済み実行ファイルを定義します。ModelProfile は、その PEF を spec.pefs に <pef-name>[:<version>] の形式で列挙します (例: deepseek-ss8192-bs1:1)。通常このリストを編集することはありません。プロファイルがどの PEF を提供するかの確認に使用してください。高スループット PEF
高スループット PEF の選び方:
- 最長のプロンプトと想定される出力トークン数の合計が収まるシーケンス長 (
ss) を選択してください。 - バッチサイズが大きいほど、ノードあたりでより多くの同時デコードリクエストを処理できますが、より多くの RDU メモリが必要です。表にはサポートされている組み合わせを記載しています。
高インタラクティビティ PEF
高インタラクティビティ PEF の選び方:
- プロンプトと想定される出力量の合計に合わせてシーケンス長を選択してください。
bs1はユーザーごとのレイテンシを最小化します。bs4は、複数の同時ユーザーがいる場合に、わずかなレイテンシの増加と引き換えにノードあたりのスループットを高めます。
構成のデプロイ
これらの構成向けの事前構築済みバンドルは提供されていません。目的の構成に対応するModelProfile を選択し、それをデプロイします。連続バッチングはコンパイル済み PEF の特性であり、プロファイルの spec.features に表示されるため、自分で有効化する必要はありません。
DeepSeek の場合、2 つのプロファイルは次のとおりです。
その他のモデルでは、どのプロファイルの
spec.features に continuous_batching が含まれるかを確認して、対象のプロファイルを特定します。
features に continuous_batching を含むプロファイルは高スループット構成を提供します。含まないプロファイルは高インタラクティビティ構成を提供します。プロファイルの spec.pefs を上記の PEF の表と突き合わせて、そのプロファイルが提供するシーケンス長とバッチサイズを確認してください。
モデルとそのプロファイルを ModelBundle で組み合わせるか、単一モデルの場合は ModelDeployment にインラインで記述します。
ModelDeployment のレプリカグループを構成します。
集約モード (ACB):
デプロイの確認
デプロイ後、構成が有効になっていることを確認します。continuous_batching.mode が aggregate (ACB) または disaggregate (DCB) に設定されていることと、prefill および decode 配下のレプリカ数が設定した値と一致していることを確認してください。
構成の切り替え
高スループットと高インタラクティビティを切り替えるには、切り替え先の構成に対応するプロファイルで再デプロイします。高インタラクティビティに切り替える場合は、features に continuous_batching を含まないプロファイルを参照し、ModelDeployment のレプリカグループから continuous_batching ブロックを削除してください。API 呼び出しで使用するモデル名は変わりません。
デプロイの監視
SambaStack のロギングシステムは、これらのデプロイに関連するリクエストごとのメトリクスを出力します。
利用可能なメトリクスの全一覧とクエリ例については、ログをご参照ください。

